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地球に現れた最初の生命「LUCA(全生物最終共通祖先)」は半分生きている?(ドイツ研究)
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 生きとし生けるものの祖先の遺伝的特性。それは地上に最初に現れた生命の謎に光を当てるものだ。



 大昔に存在した生命の祖先は単細胞の細菌のような有機体だった。それでも、気高き名前を、少なくとも頭文字が与えられている。それはLUCA(Last Universal Common Ancester = 全生物最終共通祖先)という。今から40億年前、地球が生まれて5億6,000万年経った頃に生きていたと考えられている。

生命の起源の謎



 最新の発見によって、2つの立場からの激しい議論が交わされるようになった。一方の立場は、生命の起源は深海の熱水噴出孔や火口側面のような極端な環境にあると考えるものだ。他方は、ダーウィンが提唱した”暖かい小さな水溜り(warm little pond)”のようなもっと普通の環境だろうと考える立場だ。



 生物の最初期の祖先の性質は長い間不確かなままだった。それというのも、真正細菌、古細菌、真核生物という生命の三大ドメインの起源に共通点が見られないからだ。古細菌は細菌のような有機体だが、異なる代謝を持つ。真核生物は全植物と動物を含む。



 最近では真正細菌と古細菌は最も古いドメインで、真核生物は後になって登場したという考え方が主流となっている。これによって、ドイツ、ハインリッヒ・ハイネ大学のウィリアム・F・マーティン(William F Martin)を筆頭とする進化生物学者のグループが、真正細菌と古細菌の起源である有機体の性質を確かめられる可能性が開けてきた。



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生命の起源は厳しい環境下にあった?



 スタート地点となるのは、真正細菌と古細菌の既知のタンパク質遺伝子だ。この20年、最新の解析機で数千もの微生物の遺伝子配列解析を行い、600万ほどの遺伝子がDNAデータバンクに蓄積された。



 ヒトとマウスで同じ機能を持つ遺伝子は、遺伝的には最初の哺乳類に存在する先祖遺伝子の共通の子孫という関係にある。したがって、DNAの配列を比較することで、進化の系統図を描くことができる。マーティン博士らは600万の遺伝子をずっと少ない遺伝子族に割り当てた。そのうち、真正細菌と古細菌の共通の祖先であるLUCAが起源であろうと判断するための基準を満たしたものは、たったの355個だけだった。



 遺伝子は有機体が生きる環境に適応する。そのためLUCAが持っていた可能性が高い遺伝子を特定することで、それが生きた環境やその方法を伺い知れるのではないかとマーティン博士は考えた。



 355個の遺伝子がまっすぐ指し示していたのものは、深海熱水噴出孔で見られる環境に住んでいる生物のそれだった。そこはガスが充満し、金属が存在し、海底から噴出したマグマに触れた海水が作る激しいホットプルームが存在するような場所だ。



 深海熱水噴出孔は珍しい生命体に囲まれており、その極端な化学的性質ゆえに、生命が誕生した場所ではないかとかねてから推測されてきた。LUCA由来の355個の遺伝子は、エネルギー源として水素を代謝するものがいくつかと、リバースジャイレースという酵素のための遺伝子を1つ含んでいる。これは極端に高温な環境で生きる微生物にしか見られないものだ。



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LUCAは半分生きている?



 マーティン博士が明らかにしたLUCAの肖像は広く感嘆されることだろう。しかし彼はさらに一歩進んだ。大きな議論を巻き起こしているのはこれである。博士はLUCAが生命そのものの起源に非常に近いと論じたのだ。その有機体は生命に不可欠な遺伝子をたくさん欠いており、環境に存在する化学物質を頼らなければならなかった。ゆえに「半分生きている」に過ぎないと論文で論じられている。



 LUCAが水素や金属に依存していたという事実は、深海熱水噴出孔が生命の誕生した環境であるという説に有利なものだ。よって、ケンブリッジ大学のジョン・サザーランド(John Sutherland)が提唱する主な反対理論が説くような陸上の環境でなく、深海熱水噴出孔が起源であろうとマーティン博士は結論付けている。



 だが、マーティン博士が描くLUCAはすでに生命の起源からはるかに進化を遂げた、非常に洗練された有機体であったと考える者もいる。つまり初期の地球に存在した化学物質から生命システムが形成されたということだ。マサチューセッツ総合病院のジャック・ショスタク(Jack Szostak)は、LUCAと生命の起源は「進化による革新の長大な距離によって隔てられた出来事」とコメントする。



 マーティン博士のデータからは、LUCAがタンパク質を合成するという複雑な作業を行えたことが明らかである。ということは、まだ見つかってはいないとはいえ、もっと単純な化学成分を合成できなかったとは考えにくい。「ボーイング747を作れるのに、鉄の精製ができないと言うようなものです」と応用分子進化基金(Foundation for Applied Molecular Evolution)のスティーブン・A・ベナー(Steven A. Benner)は話す。



 サザーランド博士もまた、いくつかの必須要素を環境に頼っていたという理由だけでLUCAが半生命と生命の境界の存在であったとする主張をほとんど支持していない。「地元のスーパーマーケットに頼っているから自分は半生物だと言うようなものです」と博士。



 サザーランド博士らはLUCAが深海熱水噴出孔にまで辿れることについては異を唱えていない。彼らが言っているのは、それが生命の起源がそこであることを意味しないということだ。生命がどこか別の場所で誕生し、40億~38億年前に起きた後期重爆撃期(雨のように降り注ぐ隕石で、海洋が沸騰した)のような破滅的イベントによって深海に閉じ込められた可能性もある。



 生命は非常に複雑なため、進化には何百万年もの時間が必要であるかのように見える。だが、最初期の生命の証拠は38億年前にまで遡るもので、爆撃が終わってからほんのわずかのうちに登場したかのようだ。爆撃中、深海に逃れれば、生命が進化するためにより長い期間をとれたかもしれない。しかし、サザーランド博士のような化学者は、前生物的な化学的性質が海洋で機能するようになったという主張には違和感を感じるという。化学物質が複雑な生命の分子に組み上がる前に、これを大幅に薄めてしまうからだ。



 化学の基本原則に寄って立つサザーランド博士は、正しい反応が起きるには太陽の紫外線がエネルギー源として不可欠であることを発見した。ゆえに海洋ではなく、陸上のプールこそが生命の起源として最もありえそうだというのだ。



 マーティン博士のLUCAの肖像について、「非常に面白くはありますが、実際の生命の起源とは無関係ですよ」とサザーランド博士は主張する。





Scientists Reveal LUCA - Common Ancestor Of All Living Things On Earth

via:naturementalflossnytimes



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