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物質の新形態。「時間の結晶」の生成に成功。量子コンピューターの突破口にもなる可能性(米研究)
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 物理学者が物質の新しい形態を開発した。その原子は空間ではなく、時間経過に応じたパターンを繰り返すそうだ。

 

 “時間結晶(time crystal)”と呼ばれるその物質は、かつてあり得ないと考えられていたものだ。「非平衡相というまったく新しい世界への扉」を開き、いずれは超安全な量子コンピューターを登場させる可能性を秘めているという。

時間的なパターンを形成する時間結晶



 氷やダイヤモンドなどの結晶を構成する原子が、空間内で反復されるパターンで並んでいるのに対して、時間結晶は時間的なパターンを形成する。その振る舞いは普通の予測に反するものだという。



 米メリーランド大学とカリフォルニア大学バークレー校との共同量子研究所(Joint Quantum Institute)では、レーザーを利用して、10種のイッテルビウムイオンの鎖に3種類の挙動を引き起こすことで時間結晶を作り上げた。



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 研究チームは、原子イオンにレーザーパルスを照射して磁場を作り出したところに、別のレーザーで一部の原子のスピンを反転させた。これを繰り返すことで、時間と共に繰り返される反転パターンが生成された。



 このイオンはよりゆっくりとした周波数――それを作り出したパルスの丁度半分の周波数で反応する。これはピアノの鍵を1秒に2回弾いたのに、音は1秒に1度しか鳴らない、といった具合の不思議な反応であるという。



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 さらにハーバード大学でもカリフォルニア大学と共同で時間結晶の生成に成功している。こちらは合成ダイヤモンドの人工格子を利用したものだ。アプローチは違うが、どちらも同じ時間結晶構造的な挙動を示す。



 この奇妙な時間結晶は、絶対に熱平衡に落ち着くことがない相互作用する原子によって構成されている。その構造は定期的に”キック”されることで時間と共に繰り返される。



 しかしただ繰り返されるだけではダメらしい。ビリヤード台に10センチ間隔でボールを並べても、台を揺らせばバラバラになってしまうのと同じ理屈だ。それをしっかりと堅固なものにするために、結晶は十分に安定したリズムを有している必要がある。



 時間結晶の概念は2012年、並進対称を破る物質を提唱した物理学者フランク・ウィルチェックによって最初に唱えられた。今回のブレイクスルーのおかげで、今や量子コンピューターの未来すら語れるようになってきた。



 どちらの論文も『ネイチャー』誌に掲載された。



via:Scientists create a new form of matter: Two studies show 'impossible' time crystals are real and could lead to quantum computer breakthrough

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