環境・サイエンス・ITニュースへのコメントだよ!

地球上に生命が誕生したのは偶然の産物か? それとも物理法則にしたがったものなのか?(米研究)
おもしろ雑貨をお探しの方はここをクリックしてね!

0_e7


 生命の起源は、人類にとって最大の探求テーマの1つだろう。



 この探求は必然的に地球上の生命を超えて、宇宙のどこかにも生命は存在するのだろうかという問いに続く。



 地球の生命は単なる偶然による幸運なのだろうか? それとも普遍的な物理法則に従った自然なものなのだろうか?

生命の起源を物理学の観点から探る



 米マサチューセッツ工科大学の生物物理学者ジェレミー・イングランド(Jeremy England)博士は、この深遠な問いへの回答を試みている。



 2013年、物理学は”生命的”性質のタネを播くような形で化学物質を自然に組織化するという仮説を提唱した。



 今回、同博士らの最新の研究が示唆しているのは、物理は自己複製をする化学反応を自然に作り出すという仮説だ。それは無生物の物質から生命が誕生するための最初のステップの1つである。



 このことは、生命が自然の基本法則に直接由来していると解釈できるかもしれないということだ。そこに幸運という要素はない。



2_e8




生命には何らかの起源がある



 生命には何らかの起源がある。それは最初から生物だったわけではない。生物は手の加わっていない無生物の化合物から生まれたと言われている(※生命の起源論



 それは何らかの方法で前生物的化合物へと自己組織化し、生命の構成ブロックを作り出し、基本的な細菌が形成され、やがては今日地球上に存在するようないくつもの生命へと進化した。



 非生物が生物的な何かに変わったとき、熱力学が生命的な振る舞いをさせるフレームワークを提供しているのではないかとイングランド博士は考えている。なお今回の研究は物理系の生命的性質と生物学的プロセスを橋渡しするものではないことに注意が必要だ。



iStock-636179994 (1)_e




物理系の自己組織化



 ある系にエネルギーが与えられたとき、そのエネルギーの散逸の仕方は物理法則が支配している。外部の熱源がその系に与えられれば、それは机に置かれたコーヒーと同じく、散逸して、周囲の環境と熱平衡に達する。



 エントロピー、すなわちその系の無秩序さの量は熱の散逸とともに増加する。



 しかし一部の物理系は平衡に落ち着かず、その外で”自己組織化”し、外部のエネルギー源を有効活用できるかもしれない。



2_e9


 それはその系が熱力学的平衡に達することを防ぎ、外平衡状態を維持する持続的な自己化学反応を発生させる、とイングランド博士は推測する。



 彼はこの状況を”散逸駆動型適応”と読んでおり、このメカニズムこそ生命的性質に至らせるものだという。



 鍵となる生命的な振る舞いは自己複製、あるいは生物学的な視点で見れば生殖である。これこそあらゆる生命にとっての基礎である。



 単純なものから始まり、複製し、より複雑になり、さらに複製する。それは自己複製が熱を散逸させ、その系のエントロピーを増加させるうえで非常に効率的であるために起きる。





散逸駆動型適応の検証



 『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載された研究で、イングランド博士とジョーダン・ホロヴィッツ博士は、その仮説の検証を行った。



 彼らは25種の化学物質の”スープ”を含む閉鎖系(周囲の環境と熱や物質を交換しない系)のコンピューターシミュレーションを実施。もし、例えば、このスープが外部源(熱水噴出孔など)によって濃縮・加熱された場合、スープは熱力学第二法則に従い熱を散逸する必要が出てくる。熱は散逸せねばならず、その系のエントロピーは必然的に増加する。



 彼らは、特定の初期条件において、そうした化学物質が自己組織化や激しい反応を通じて自己複製し、系に与えられたエネルギーを最適化する可能性を発見した。こうした反応は熱力学第二法則に従う熱を発生する。その系においてはエントロピーは常に増加し、化学物質は自己組織化して自己複製という生命的な振る舞いを示すようになる。



6_e5


 系は小さなスケールでいろいろ試すが、一度そのうちの1つから良好な手応えを得れば、それが系の組織の性格を塗り替えるまでにさして時間はかからない。



 これは生物で起きていることを示す非常にシンプルなモデルだ。細胞の中では化学的エネルギーが燃焼しているが、それはその性質からいって非平衡である。だがイングランド博士が認めるように、化学物質のスープの中に生命的性質を見つけることと、生命自体には大きな違いがある。





地球外における生命の出現



 こうしたシンプルな物理系が宇宙のどこかで生命を育ませている可能性について答えたいところだが、まずはそうした系が地球のどこに存在するのか理解したほうがいいだろう。



 今回の研究は、非生物学的系から生物が出現するメカニズムを明示するものではなく、ただある程度複雑な化学的状況からどのようにして自己組織化が発生するのかを示しただけだ。



 シミュレーションではそれ以外の生命的性質(環境への適応や刺激に対する反応など)を考慮していない。また生命の起源における情報の複製の役割についても扱っていない。



 生体系においては情報が決定的な役割を果たしている。ただ化学物質のスープが自然に自己組織化を見せたからといって、直ちにそれが生きている組織ということにはならない。



 理論物理学者であり宇宙生物学者でもある米アリゾナ州立大学のサラ・イマリ・ウォーカー博士は、単純な秩序から生きた細胞のような完全な情報処理構造を持つようになるまでには、いくつもの段階を経る必要があると考えている。物理学的な秩序と非平衡系は確かに存在するが、それが必ずしも生命を作り出すわけではない。



1_e10


 イングランド博士の研究を生命の起源の動かぬ証拠とみなすのは時期尚早である。それについては他にも多くの仮説が存在する。



 しかし物理系が自然に自己組織化するという可能性は慧眼であろう。今、彼らはこの熱力学系の振る舞いについて一般的な理論を構築している最中である。それが地球で自然発生する非平衡物理系を特定する次のステップになるかもしれない。



参考:自然発生説

生物が親から子へという道をとらず,無生物から発生するという説。 16~17世紀までは高等な動物などについてもこのようなことがありうると考えられていた。たとえば小麦粉からネズミを生じ,腐肉からハエのうじを生じるというようなことで,まじめにその処方を書いた者もあった。 F.レディは 17世紀後半に,ハエのうじの自然発生を実験により否定したが,微生物については多くの論争があり,19世紀の後半になって L.パスツールが微生物の自然発生も否定するまで続いた。(コトバンク


via:futurism / pnas / livescienceなど

☆俺は偶然やと思うのだが・・・!
スポンサーサイト
Copyright © mirojoan's Blog. all rights reserved.